もともと「火の車」といふ飲み屋をはじめようと思ひたつたのも生
活が火の車だからだつた。少し上品なこじつけをつけ足せば、散文は
書かずに飲み屋のあがりで生活し、あとはぼつぼつ詩だけを書きたい。
そしてもしもたんまりたまつたならば、やがては折も来ようから、そ
れをにぎつて海を渡つてゆきたい。