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中田横穴

ここから出土したあるものは、国内最大です。

解説

 平沼ノ内地区の丘陵西崖面に造られた横穴で、現在の海岸線から直線距離で約1.2㎞に位置する。昭和44年1月、県道新設工事中に発見され、緊急の調査が実施された。
 横穴の入口は西向きで、内部施設は前室・後室の複室を有する特殊な構造をもち、入口から後室奥壁までは6.67mを測る。後室の壁面には赤と白の顔料を用いた連続三角文の装飾が確認された。現在、横穴は国史跡、出土品は県重要文化財にそれぞれ指定され、大切に保存されている。
 出土品は約1,300点を数える。我が国最大という金銅製馬鈴をはじめ、玉類などの装身具385点、飾太刀・鉄鏃などの武器や甲小札などの武具747点、鐙や杏葉などの馬具169点、その他、鏡や青銅製容器など豊富な種類の副葬品が出土している。本来は遺体埋葬箇所の後室に副葬されたものと推定されるが、埋葬後、意図的に破壊、移動され、前室・羨門部・前庭部に置かれたものと考えられる。とくに前庭部に多い特徴がある。
 出土品の多くは、6世紀後半の我が国の古墳文化研究と横穴墓の基礎的概念を大幅に書き換える要因となった。
 挂甲と金銅冑で身を固め、金銅の太刀を佩き、銀製鉾を持つ武人が葬られ、金銅製品で飾られたきらびやかな馬具が添えられていた。仏具としての青銅製の容器も認められ、倭王権から賜与された遺品の数々から、中田横穴に葬られた人物が中央との政治的繋がりの強さを有する人物であったことが想定されるところである。
指定区分
国指定
種別
史跡
住所
いわき市平沼ノ内字中田57-1
指定年月日
昭和45年5月11日

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