facebook twitter instagram Line

陶棺

陶棺とともに納められていた貴重な品々とは?

解説

 粘土で形成され、乾燥後素焼きで仕上げた埋葬用の棺である。古墳時代の後期から奈良時代初期にかけて、岡山県を中心とした地域で盛んに用いられた。関東以北では数例発見されているが、東北地方ではこの陶棺が唯一の出土例で、形式的にも類例がなくきわめて貴重なものである。白黄・赤褐色で焼成は土師質で硬く、全面に櫛目の整形痕がある。胴部に幅3cmの箍が巡り、埴輪と同質の製法に共通する特徴がある。底面は船底状となり、2cm程の小孔があけられている。円筒状の脚が3行7列に21本配列し、平面隅丸長方形の棺身をささえている。
 陶棺が出土した後田源道平には、径10数mの円墳が現存し、西に開口する横穴式石室の奥壁が残存している。覆曲した矩側を西に向け、石室内に安置された発見当時の写真が残されている。副葬品には直刀・鐔・鉄鏃・土製丸玉・土製小玉・土製環・土製小環があり、一部は東京国立博物館に保管されている。この陶棺を出土した後田古墳群は、鮫川左岸の低位段丘上に形成され、附近には前方後円墳の可能性のある埴輪をもつ古墳や、裸馬と渦文の陰刻のあった館山横穴墓群は、段丘西面崖に形成されていた。
指定区分
県指定
種別
重要文化財(考古資料)
住所
いわき市常磐藤原町手這50−1
施設名
いわき市考古資料館
指定年月日
昭和36年3月22日

その他の3D・ObjectVR

TOP