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寺脇貝塚出土品(結合式釣り針)

国内でも珍しい釣針、その特徴とは?

解説

 寺脇貝塚は小名浜字古湊・字寺ノ脇に所在する太平洋につき出した丘陵上に営なまれた縄文後期から晩期の貝塚で、いわきを代表する貝塚である。現在、港ケ丘団地となり大半は湮滅したが、ごく一部が残っている。ここから出土した鹿角製漁労用具は、質量ともに全国的にみても十指に数えられ、特に釣針の出土数は、我が国の首位をなすほどである。なかでも結合釣針は、軸と針先を別々に作り、曲点で結合させるという独特な発想からうまれたもので、「寺脇型」と呼ばれている。
 燕形離頭銛の出土はその南限に位置し、形態の特異さが重要視され、太平洋岸の縄文時代の後・晩期における漁労文化と縄文人たちの環境に対する適応性を如実に示した遺物である。多量の土器片とともに土偶・土錘・石鏃・石斧・石皿・岩偶・貝輪などが出土し、イノシシ・シカなどの動物の骨と、マダイ・スズキ・マグロ・サメなどの魚類の骨が大量に採集された。特にマダイとマグロが豊富で、これを釣るための結合釣針と、刺突具の先端に使う燕形離頭銛の発達をうながした自然的環境を物語っている。
指定区分
県指定
種別
重要文化財(考古資料)
住所
いわき市常磐藤原町手這50−1
施設名
いわき市考古資料館
指定年月日
昭和43年12月10日

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