七夕は、昭和時代中期頃まで旧暦7月7日に行われていた。かつてこの日は盆入りの日でもあったことから、七夕と盆行事が密接に関わっている事例が各地で見受けられる。いわきの場合、藁馬を作る風習がそれにあたる。七夕に「オボンサマ」が来るといわれ、藁馬はご先祖様を迎えるために作られた。
　旧暦7月6日の夕方になると、家の門口には、短冊を吊るした笹竹が立てられ、その下に小麦藁で作った雌雄の藁馬を2匹（一対）つないだ。七夕終了後、藁馬は笹竹とともに川に流すか、あるいは馬小屋の屋根に上げていた。
　藁馬がいつから作られたかは不明であるが、江戸時代末期から明治時代初期のいわきの風習が書かれた大須賀筠軒おおすがいんけん 『磐城誌料歳時民俗記いわきしりょうさいじみんぞくき』に藁馬に関する記載があるため、少なくともこの頃には行われていたと推測される。現在、藁馬の風習はほとんど残っていないが、類似した例としてナスやキュウリで作った牛や馬を盆棚にお供えする風習が残っている。

　七夕は、昭和時代中期頃まで旧暦7月7日に行われていた。かつてこの日は盆入りの日でもあったことから、七夕と盆行事が密接に関わっている事例が各地で見受けられる。いわきの場合、藁馬を作る風習がそれにあたる。七夕に「オボンサマ」が来るといわれ、藁馬はご先祖様を迎えるために作られた。
　旧暦7月6日の夕方になると、家の門口には、短冊を吊るした笹竹が立てられ、その下に小麦藁で作った雌雄の藁馬を2匹（一対）つないだ。七夕終了後、藁馬は笹竹とともに川に流すか、あるいは馬小屋の屋根に上げていた。
　藁馬がいつから作られたかは不明であるが、江戸時代末期から明治時代初期のいわきの風習が書かれた大須賀筠軒 『磐城誌料歳時民俗記』に藁馬に関する記載があるため、少なくともこの頃には行われていたと推測される。現在、藁馬の風習はほとんど残っていないが、類似した例としてナスやキュウリで作った牛や馬を盆棚にお供えする風習が残っている。