とこなめおおつぼ
常滑大壺
よく見ると紋が入っています。どんな紋でしょうか?
この大壺は、14世紀の尾張国(おわりのくに、現在の愛知県)の常滑で焼かれたもので、それが持ち込まれたものと考えられています。常滑焼の特有の茶褐色をしており、非常に丈夫そうな雰囲気を持っています。また、よく見ると壺の肩と言われる口から斜めに下りていく部分に陰五本源氏車紋(かげごほんげんじぐるまもん)と言う文様の印が押されています。
大壺は、飯野八幡宮で現在も行われている古式大祭の神事「八十八膳献饌(はちじゅうはちぜんけんせん)」と言われる神様へのお供え物のうち、「一夜酒」を作るのに使われました。
鎌倉時代に作られた壺が、代々大事にされ今まで伝わってきたことにとても驚かされます。
大壺は、飯野八幡宮で現在も行われている古式大祭の神事「八十八膳献饌(はちじゅうはちぜんけんせん)」と言われる神様へのお供え物のうち、「一夜酒」を作るのに使われました。
鎌倉時代に作られた壺が、代々大事にされ今まで伝わってきたことにとても驚かされます。
解説
この常滑大壷は、飯野八幡宮古式大祭の神事八十八膳献饌の際に献供される「一夜酒」を醸すのに使われた。
口唇部にわずかの欠損がみられるが、鉄分を含む陶土を、幅約5㎝程度の粘土紐とし、それを約8段に輪積成形している完器である。胎土は灰色で、細砂粒を含んでいる。焼成は比較的よく堅緻に仕上り、器肌も常滑特有の茶褐色を呈す。緑灰色の降灰自然釉は、口縁部上面と肩部に一様にかかる。底面は緩い凹凸が見られ、未調整である。少々の砂を蒔き、その上に器体を乗せて焼成した痕跡が窺える。
最大胴径40.2㎝、底径16.7㎝を測り、最大胴径は器高の3分の2位の箇処にある。
口縁部は垂直にN字形に近く折り返され、その幅が細く、縁帯幅は約1.7㎝を測り、上端近くに浅い凹溝がめぐり、肩の大きく張る器形で典型的な特徴を示す。器壁は1.3㎝内外。肩部には刷毛状工具によるナデが施され縦筋目が走る。下胴部は輪積された器面を締めるが如くヘラナデされ、その工程は丁寧である。
この壺を効果的に特徴づけているのは、肩部に押された印花紋の存在である。直径4㎝内外の陰五本源氏車紋が5箇、約5.5㎝間隔にて一方の面に押圧されている。
この壺は、14世紀に尾張国(愛知県)常滑窯で焼かれたもので、出土品ではなく、伝世したことに価値がある。
口唇部にわずかの欠損がみられるが、鉄分を含む陶土を、幅約5㎝程度の粘土紐とし、それを約8段に輪積成形している完器である。胎土は灰色で、細砂粒を含んでいる。焼成は比較的よく堅緻に仕上り、器肌も常滑特有の茶褐色を呈す。緑灰色の降灰自然釉は、口縁部上面と肩部に一様にかかる。底面は緩い凹凸が見られ、未調整である。少々の砂を蒔き、その上に器体を乗せて焼成した痕跡が窺える。
最大胴径40.2㎝、底径16.7㎝を測り、最大胴径は器高の3分の2位の箇処にある。
口縁部は垂直にN字形に近く折り返され、その幅が細く、縁帯幅は約1.7㎝を測り、上端近くに浅い凹溝がめぐり、肩の大きく張る器形で典型的な特徴を示す。器壁は1.3㎝内外。肩部には刷毛状工具によるナデが施され縦筋目が走る。下胴部は輪積された器面を締めるが如くヘラナデされ、その工程は丁寧である。
この壺を効果的に特徴づけているのは、肩部に押された印花紋の存在である。直径4㎝内外の陰五本源氏車紋が5箇、約5.5㎝間隔にて一方の面に押圧されている。
この壺は、14世紀に尾張国(愛知県)常滑窯で焼かれたもので、出土品ではなく、伝世したことに価値がある。
- 指定区分
- 県指定
- 種別
- 重要文化財(工芸品)
- 住所
- いわき市平字八幡小路
- 施設名
- 飯野八幡宮
- 指定年月日
- 昭和62年3月27日