埴輪男子胡坐像
頭上の飾りはいったい何?
解説
神谷作101号墳より出土した埴輪で、頬紅をつけた端正な顔だち、三角形の天冠をつけ、7つに枝分かれした鈴付きのまびさしが、風にゆれ動いて鈴の響きが聞こえてくるような表現がこの男子像の美的評価を高めている。美豆良を長く垂れ、左腰に玉飾りの刀をはき、鞆を結んで籠手をつけた両手を前に捧げ台上に胡坐する。6世紀前半の制作で、古墳時代後期の首長の葬祭に際して、威儀を正して亡き首長の霊前に拝礼する若き後継者の緊張した雰囲気をよく表現している。 わが国で数例しか知られていない貴重な埴輪で、亡き主に拝礼する者達の思いが動的に伝えられている。このほかに武人男子像・飾馬・ゆぎ・さしば・家など12体以上の人物埴輪の破片がある。円筒埴輪を合わせて海岸砂丘の真白い砂山上に営なまれた墳丘を飾り立てたものである。昭和23年(1948)12月に発掘した。
- 指定区分
- 国指定
- 種別
- 重要文化財(考古資料)
- 住所
- いわき市平字高月7
- 施設名
- 福島県立磐城高等学校
- 指定年月日
- 昭和33年2月8日