縄文時代の祭祀の道具
祭祀の道具にはどんな文様が描かれている?
解説
薄磯貝塚A地点から出土した岩版と呼ばれる祭祀具である。隣接するC地点を含め、薄磯貝塚からは総数300点を超える岩版が出土している。遺跡周辺から採取される柔らかい性質の凝灰質泥岩を加工して作られている。表面には、直線と円文を組み合わせた串だんご状の文様、方形に区画された内部を細かな沈線で充填するパンツ状の文様、S字やC字を組み合わせた幾何学文様などが描かれるのが多数を占めるが、少数ではあるが、顔の表現が見られるものや岩の周囲に抉りこみを施し人形を作り出しているものもある。同様なものに粘土から作られる土版がある。縄文時代晩期に多く作られるが、用途については不明な点が多い。
- 住所
- いわき市常磐藤原町手這50−1
- 施設名
- いわき市考古資料館