facebook twitter instagram Line
いわきしいるまさわさんのこぎりえいのかせき

いわき市入間沢産ノコギリエイの化石

これがトゲ?どの部分のトゲでしょうか?

 約8600万年前の玉山層という地層からノコギリエイのトゲの化石が見つかりました。8600万年前のノコギリエイということは古代生物であり、玉山層の調査の際、同様に発見されたフタバスズキリュウなどのクビナガリュウと同時期に生息していたことになり、なんだかワクワクしてしまいます。
 ノコギリと表現されている部分は、本来、吻(ふん)と言われる部分で、顔から前に長く突き出ています。そこにギザギザとノコギリの刃のようについていたのが、このトゲの化石というわけです。欠けている部分もありますが、表面のボコボコした感じや根元の断面の様子なども見ることができ、一体どんな生き物で、どんな世界に、どうやって暮らしていたのだろうかとあれこれ想像するのが楽しくなります。

解説

 昭和43年(1968)、いわき市大久町板木沢の双葉層群玉山層(約8600万年前)の地層から採取された海生ハ虫類化石の発見をきっかけに、国立科学博物館が2年にわたり大規模調査を行い、全身の約70%にも及ぶクビナガリュウ化石を発掘した。この化石は、地層名と発見者からフタバスズキリュウと名付けられ、後の平成18年(2006)には新属新種としてフタバサウルス・スズキイの学名で発表された。この発見をうけて、昭和56年(1981)にいわき市教育委員会は大久町入間沢の同地層の発掘調査を行い、成体・幼体の複数個体を含む多数のクビナガリュウ化石およびアンモナイト、魚類、コハクなどの化石を採集した。
 魚類化石の中にはノコギリエイの鼻吻のトゲが含まれており、このトゲはこれまでに採集されていたものといくつかの点で違いがあることが分かった。
 その特徴は、歯の形では歯冠部が直線的であり、歯根部は粗削りで広がっていること、切縁は前部表面に丸みがあり後部表面が鋭利に平らに切られていること、楯鱗の接着面が他の種類(属)と違っていることである。これらをもとにこの化石は、エイの仲間(目)のスクレロリンクス科の新種とされ、上野輝彌・長谷川義和両博士により、イスキライザ・イワキエンシスとして発表された。
指定区分
県指定
種別
天然記念物
住所
いわき市常磐湯本町向田3−1
施設名
いわき市石炭・化石館(ほるる)
指定年月日
平成3年3月22日

その他の3D・ObjectVR

TOP