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プロトプテルム類

飛んでいた?泳いでいた?

解説

 本標本は、新生代古第三紀始新世~新第三紀中新世(約4100万年前~1500万年前)の北太平洋沿岸に生息していた、プロトプテルム類という絶滅した鳥類化石の全身復元骨格である。プロトプテルム類は空を飛ぶことができず、ペンギンのように水中を泳いで生活していたと考えられている。そのことから、“ペンギンモドキ”という名前で呼ばれることもある。しかし、実際にはペンギンよりもペリカンやウ、カツオドリに近い海鳥の仲間だと考えられている。
 プロトプテルム類の化石は、北アメリカ西岸や日本各地(北海道・福島県・岐阜県・九州北部など)の地層から発見されている。
 いわき市でも古第三系白水層群石城層(約3500万年前の地層)からプロトプテルム類の化石が複数見つかっている。特に1985年(昭和60年)の発掘調査では、市内の赤井・小川地区から約160点のプロトプテルム科の骨化石が採集された。その時の調査では、プロトプテルム科だけでなく、カツオドリ科やウ科、ワシタカ科、骨質歯鳥類など、複数種の鳥類化石が見つかった。いわき市から産出するプロトプテルム類の化石は、プロトプテルム科の化石のなかでも最古級(約3500万年前)のもので、比較的小型の個体のものが多いのが特徴である。
住所
いわき市常磐湯本町向田3−1
施設名
いわき市石炭・化石館(ほるる)

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