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絹本著色阿弥陀三尊像

この豊かな彩色の素材は何だろうか?

解説

 阿弥陀三尊の立像来迎図で、阿弥陀如来は画面の中央に少し横向きで踏割蓮台に立っている。その前方右の観世音菩薩は腰をかがめて蓮台をささげている。左の勢至菩薩も少し腰をかがめて合掌している。両菩薩は踏割蓮台に立ち、本尊とともに雲に乗って往生者の所へ降りて来る様子を示している。
 三尊ともに皆金色像である。画面の虚空部は群青を塗り、三尊の肉身は金泥地に朱墨の肉線を描き起こし、口唇に朱、頭髪や眉には群青、衲衣は金泥地に截金文様を加えている。脇侍の瓔珞は群青と緑青で玉飾りをあらわし、宝冠部は裏箔を押して墨線で細部を描く。踏割蓮台は緑青地で、その輪郭と蓮弁に截金を用いている。飛雲は胡粉地に墨線の縁どりを加えている。皆金色の薄い目の彩法で、各部に施される紗綾形や七宝をはじめとする文様の描写からみて、鎌倉時代後期の作と思われる。来迎図の中では異例の大幅で堂々たる風格を持ち、保存も良好である。また絹地が一幅一鋪の雄大な絹幅であることなどからも資料的価値が注目される。大国魂神社の神主であった山名行阿が如来寺に寄進し、伝来してきたものである。
指定区分
国指定
種別
重要文化財(絵画)
住所
東京都台東区上野公園13-10
施設名
東京国立博物館
指定年月日
大正4年3月26日

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