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もくぞうしゃかにょらいざぞう

木造釈迦如来坐像

黄金の輝きはどうやって作られているでしょうか?

 蓮の花をかたどった台座に静かに座る木造の釈迦如来像です。
 釈迦は仏教の開祖であり、さとりを開いた後の姿であるため、装飾品などは一切身につけず、螺髪(らほつ)と呼ばれる長い髪を貝のように右巻きに巻いた髪型をしています。
 この釈迦如来坐像は静かな表情で、非常に整えられたお顔をしています。眼は水晶で作られ、眉間には白毫(びゃくごう)という光を放つと伝わる長く白い巻き毛がキラリと光っています。
 やはり目を引くのは黄金に輝くお姿。これは漆箔(しっぱく)像と言って、仏像にうるしを塗り、その上から金箔をはって作られています。
 そもそも釈迦が持つ32の特徴(三十二相)の中に、金色相というものがあります。それは全身が黄金色に輝き、命あるものから愛されるとともに、苦しみを除き、仏道へと導くとされます。

解説

 磐城山忠教寺は、寺伝によると徳一によって開かれた寺で、現在は臨済宗の寺である。
 釈迦は仏教の開祖で、「釈迦牟尼」または「釈尊」と称し、仏陀・世尊・如来等の尊称がある。釈迦はインド北方の小国カビラ城にて、父・浄飯王、母・摩耶婦人の太子として生まれたが、生後7日にして母后に死別した。幼名を悉達多と称し、学術武技を修めたが、内省的で長ずるに従って瞑想的になった。19歳の時結婚して1子をもうけたが、人生の無情や苦に対する省察はいよいよ深く、解脱の道を求めて出家した。苦行林で6年、仏陀迦耶の菩提樹下に静座して内観につとめた。その時多くの魔の妨害を退け、解脱の明智を内証して仏陀となった。その明智は一切の存在を相依相待の縁起として把握することであって、人生のあらゆる問題をこの根本原理の上に如実に観察することであった。そののち入滅に至るまで、万人の強化に専心したのである。
 この釈迦如来坐像は、木造寄木造りの漆箔像である。お顔は額に白毫があり、眼は玉眼で端厳の相を示している。通肩の衲衣は写実的である。手印や面部、胸など肉身部は後世の修補で、一部に削り直しがあったのではないかとみられるが、鎌倉時代の制作と思われる。
 元禄元年(1688)に、磐城平藩主・内藤義孝が寄進したものである。
指定区分
県指定
種別
重要文化財(彫刻)
住所
いわき市平四ツ波石森
施設名
忠教寺
指定年月日
昭和30年12月27日

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