facebook twitter instagram Line
もくぞうやくしにょらいおよびりょうわきじぞうてんぶりゅうぞう

木造薬師如来及び両脇侍像・天部立像

薬師如来の両どなりにいる菩薩の名前は何というでしょうか?

 このお顔を見ただけでいやされそう。そう思わせるほど柔らかで優しいお顔をした薬師如来像です。薬師如来像は寄木造りと言われる数本の木材を組み合わせて作る方法で作られています。これは平安時代の中期ごろから各地に広がっていった技法で、薬師如来像の両どなりにいる月光菩薩、日光菩薩も同じ技法で作られました。
 薬師如来像の左手を見てください。薬師如来像の特徴である薬つぼを持っています。また月光菩薩は月の月輪を持ち、日光菩薩は太陽の日輪を持つのが本来の姿ですが、長い年月の間に失われています。しかし何かをにぎっているよう手や腕の表現から、当初は月輪と日輪を持っていたことがわかります。
 他に持国天と多聞天と思われる天部立像もあり、どれも味わい深い様子で、大切にされてきたことがわかる仏像たちです。

解説

 この薬師如来像は、明治初期に廃寺になった薬王寺末寺の日光山自性院光山寺(真言宗智山派)の薬師堂に祀られていた。同寺は、日光権現(現在の日光神社)の別当であった。江戸中期の記録によると薬師堂は三間四面で、一間四方の拝殿があった。
 薬師如来は寄木造りの坐像で、肉髻が大きく豊かな顔、衣文の流れるようなひだは彫りが浅く、よく藤原様式を伝えている。膝裏に「奉修福 文和二癸己 六月一日 仏子孫四郎 絵師覚山」等の墨書銘がある。文和2年(1353)は、南北朝時代の動乱期であった。また、「修福」は「修覆」の意と思われる。
 脇侍の日光・月光は同じく寄木造りの小形像で、一木造りの面影をのこしている。
 二天部の一つは頭部を欠くが、持国天と多聞天と思われる。五躯とも損傷が多く、光背・台座・侍物を失っているが、白水阿弥陀堂の諸仏と共通点がみられ、貴重な遺品である。
指定区分
県指定
種別
重要文化財(彫刻)
住所
いわき市平上高久字作ノ入
施設名
浄日寺
指定年月日
昭和36年3月22日

その他の高精細コンテンツ

TOP