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もくぞうかしょう・あなんりゅうぞう

木造迦葉・阿難立像

釈迦の一番弟子だった迦葉はどちらの像でしょうか?

 等身大?と思わせる大きさで造られた木造の迦葉尊者と阿難尊者の像です。両名は釈迦十大弟子と言われる釈迦の直弟子であり、信頼も厚かった人たちでした。
 迦葉は釈迦が亡くなった後に釈迦の教えを広く伝える指導者として、阿難は釈迦に常に付き従ってお世話をした人でした。そのため、釈迦如来像の左右に安置されることが多い存在です。
 まずは迦葉。老いた姿で表現されることが多く、上半身の骨は浮き上がり、八の字に下がった眉や顔に刻まれた深いシワ、衣のすそからのぞく足の甲の筋張った様子に、長い修行時間を感じます。一方阿難は、凛々しい眉毛と大きな鼻、ハリのあるツヤツヤした顔に、衣のすそから若々しい足がのぞいています。
 両者とも非常に写実的で鎌倉の正系仏師の手によるものだと考えられています。

解説

 迦葉、阿難とも釈迦十大弟子のうちで、迦葉は頭陀第一といわれ、弟子中でも中心的存在といわれている。また、阿難は常に釈迦に隋侍し、多聞第一といわれる。
 釈迦堂本尊の釈迦如来坐像の左右に安置されている。「石城郡誌」によれば、両像は釈迦如来坐像の脇立とあり、両像を脇侍として釈迦三尊像としてつくられたものであろう。
 迦葉像は衲衣をつけ、両手を胸前で組み合わせる。阿難像は法衣をつけ、左肩より袈裟をかけ、両手は胸前で合わせ合掌する。
 正統的な寄木造の技法で、迦葉は老年相、阿難は若年相とよく両者の特徴的な相貌をとらえ写実的に表現されており、衣の裴は太く、深く彫出されている。
 鎌倉時代の写実的造形を継承しながら形式化を進めた造形で、南北朝時代の造立と考えられる。寄木造の技法も正統的で、作風も同様であり中央(鎌倉)の正系仏師の作と考えられる。堂々とした造形で、南北朝時代の当地方を代表する大作である。
指定区分
市指定
種別
有形文化財(彫刻)
住所
いわき市常磐湯本町三函
施設名
勝行院
指定年月日
平成18年4月28日

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