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じょうしょういんちゃくしょくすぎとえ

常勝院着色杉戸絵

赤と青の躍動感ある生き物が描かれていますが、何でしょうか?

 こんな素敵な絵で本堂が彩られているのかと思うと、胸が高鳴ります。12枚の杉板の戸の裏表に描かれるのは、松の大樹や大きくうねるような流水、色鮮やかな赤と青の雌雄の唐獅子に牡丹。他にも宗の時代(中国)の著名な詩人にまつわる絵なども描かれていますが、どの絵も綺麗に色が残され素晴らしいものばかり。
 全部で24面と多く、また色の残りや題材も興味深い杉戸絵は、市内では非常に貴重であるといえます。これらの絵に囲まれてみたいものです。

解説

 常勝院本堂を囲む12枚の杉戸の表裏合わせて24面に、4つの画題に大別された着色画が描かれている。まず、客間を囲む杉戸12面には、その左右と中央に松の大樹を配し、左から右に流れる流水が大きく湾曲しながら流れていく様子が描かれている。次にその裏側のうち四面には、雌雄2対の唐獅子に牡丹図が描かれ、次の6面には、鶴を背にした人物と童子、酒瓶の側に立つ人物と鶴、さらに書画を描く人物が配されている。童子と鶴と士大夫を配した画は、宗代の著名な詩人である林和靖にまつわる画題と考えられる。最後の2面には、馬に乗る貴人と従者、さらに剣を用いて衣を突き刺そうとする人物という奇異な場面が描かれている。この画題は晋の智伯の臣予譲の故事に基づいた予譲裂衣図と考えられる。各杉戸の表面は擦り傷や汚れなどが見られるが、顔料を用いた着彩は良く残っている。なお、落款及び墨書等は確認できず、引き手は一部後補である。
 杉戸絵にみられる唐獅子と牡丹を組み合わせた構図は、狩野派特有の画題であり、狩野常信筆による「唐獅子に牡丹」、あるいは狩野山楽筆「唐獅子(飛禽走獣図巻)」を先行例として想起させ、本杉戸絵の作者は、江戸時代後期の狩野派系統画人の作と考えられる。また本堂の改築が明和4年(1767)に行われたとする記録が残されており、その際に杉戸絵が描かれた可能性もある。これほどの量、質に富んだ杉戸絵は市内では数少なく、絵画資料として貴重な存在である。
指定区分
市指定
種別
有形文化財(絵画)
住所
いわき市平中平窪岩間
施設名
常勝院
指定年月日
平成14年4月30日

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