facebook X instagram Line
もくぞうにょいりんかんのんざぞう

木造如意輪観音坐像

ある王朝の影響が言われています。どこの王朝でしょうか?

 6本の手を持つ如意観音は、観音菩薩が変化した姿として、信仰を集めました。本像の涼やかな目元には玉眼(水晶の眼)が嵌められ、ジッと見つめられているような気持ちになります。
 榧(かや)の木を使い、身体の前後、2つのパーツを繋ぎ合わせた寄木造りで、膝前の部分はそれ以外の材で作られています。
 本像は、衣の様子などに中国宋の影響があると言われており、鎌倉時代後期から末期に作られたと考えられています。

解説

 普門寺は、鎌倉末期を代表する禅僧痴鈍空性禅師によって開山された臨済宗の寺院である。
 本像は、普門寺の付属仏堂である北目観音堂(磐城三十三観音の第一番札所)の厨子に安置されている。天衣を両肩にかけ、裳をまとい、高髻、面六臂、右膝を立て足裏をあわせた如意輪観音菩薩の通例の姿勢をとる。
 本像の構造は榧材の寄木造りで、頭体部とも前後二材で矧ぎ合わせ、膝前を別材で矧ぎ寄せている。また、三道、天冠台を彫出し、玉眼を嵌入し、彩色の一部が残り、左右膝部と脛部に切金文が施されている。銅製の宝冠、胸飾りは後補と思われ、また、台座に元禄15年(1702)再修(修復)の墨書銘がある。
 六手の一部に損傷が認められるが、保存状態は比較的良好である。ややうつむき加減ながら張りのある面相をみせ、胸部、腹部は量感があり、複雑に折り返す衣文の流れは太く、深く彫り出される。
 六手の如意輪観音菩薩の複雑な形相を破綻なく造形化した本像は、その衣文の表現に宋風の影響が指摘されており、制作年代は鎌倉時代後期~末期と考えられている。
 なお、平成10年に修復が施されている。
指定区分
市指定
種別
有形文化財(彫刻)
住所
いわき市北目町
施設名
普門寺
指定年月日
平成6年3月25日

その他の高精細コンテンツ

TOP