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せきぞうしゃかにょらいざぞう

石造釈迦如来坐像

衣のひだが特徴的です。いつの時代を表しているでしょうか?

 阿弥陀如来を石から彫り出したのか!と驚いてしまいます。眉間の間に見える白毫(長くて白い毛)から、如来が座る蓮華の台座も同じ石から彫り出しています。なんという技術力。年月を感じさせる姿も魅力があります。衣は体に沿うように柔らかなひだを見せていて、南北朝時代の彫刻造形の特徴に似ています。
 制作は南北朝時代末から室町時代初期(14世紀末から15世紀初期)、1メートルを超える大きな石仏は県内ではあまりなく、貴重な文化財です。

解説

 性源寺の石造釈迦如来坐像は、一石で彫出、螺髪粒状(彫出)で、肉髻珠、白毫相をあらわす。足元は結跏趺坐し、台座は石造の蓮華一重座、一石で彫出となっている。角ばった体躯の造形や太くうねるような衣の襞の彫出などは、南北朝時代の彫刻の造形に通じるものがある。一方で、表現などが単純で形式化されている傾向があり、本像の成立は南北朝時代末期から室町時代初期にかけて(14世紀末~15世紀初期)と考えられている。
 像高は118.9cmと1メートルを超えており、これほど大きな石像を調和よく仕上げているところからは、仏師の優れた技量がうかがえる。江戸時代以前の石造の仏像は県内でも少なく、そのうえ独立した単立の丸彫かつこれ程の大きさなのは稀少であり、貴重な文化財と言える。
 本像を蔵する性源寺は、康正元年(1455)の開山創建で、三代将軍徳川家光以来、歴代の将軍から寺領10石を拝領するなど篤く崇敬されてきた名刹である。
指定区分
市指定
種別
有形文化財(彫刻)
住所
いわき市平字長橋町
施設名
性源寺
指定年月日
令和3年5月6日

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