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もくぞうあみだにょらいざぞう

木造阿弥陀如来坐像

古い技法が使われています。いつ頃作られたのでしょうか?

 おお、これぞ如来様、と言いたくなるほど、どっしりと構えた仏像です。特に、頭髪を貝のように巻いた螺髪に目がいきます。螺髪を含め、赤色や金色に輝く美しい箔などは文政12年(1829)に修理されたもので、本像を鮮やかに彩っています。
 しかしながら頭や体の主要な箇所は、1本の木から彫り出されていて、その技法、造形から平安時代の比較的古い時期に作られたと考えられます。この時代の仏像はいわき市では非常に少なく貴重なものです。

解説

 螺髪を植付とし、左肩を覆い右肩に少しかかる衲衣をつける。左手は屈臂して膝上におき、右手は屈臂して前に出し、それぞれ親指と人差指の頭を捻じる。左脚を外にして結跏趺坐する。
 頭体通して左体側部及び右手上膊部をも含んで一材で彫り出す一木造の技法は古様である。大きな頭に鼻梁の太い厳しさの残る顔貌表現も古様をとどめる。
 厨子内部に文政12年(1829)の修理時の墨書銘があり、肉髻頂部の小材、螺髪、後頭部及び体躯背面の蓋板、両手、脚部材、両腰脇先の小材、左前膊外側の材、裳先、漆箔及び彩色、頭体材と脚部材の間の薄材は、いずれもこのときのものと思われる。 
 後補の部分が多いものの、頭体幹部は当初のすがたを伝えており、技法や造形から平安時代も比較的古い頃の造立と考えられ、この時代の作例はいわき市内では非常に少ない。また、坐像でこれ程の大きさの像は、市内では貴重といえる。
指定区分
市指定
種別
有形文化財(彫刻)
住所
いわき市勿来町白米赤坂
施設名
白米区
指定年月日
平成22年1月21日

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