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さるたひこめん

猿田彦面

ある部分だけ別の材で作られています。どこの部分でしょうか?

 おお、なんと立派な鼻なのかと声が出てしまいます。鼻は別の材で作られていますが、他はひとつの桐から彫出されています。おでこの深いシワや、クイっと曲がった力強い眉毛、真一文字に結んだ口など、彫師の技量が思う存分発揮されているようで、見応えがあります。
 裏を見ると、生々しく彫られた痕があり、彫師が丹精込めて彫り込んだ様子が目に浮かびます。この面は俳人でもあった磐城平藩内藤政栄によって、享保7年(1722)立鉾鹿島神社に奉納されました。

解説

 桐の一材で鼻先を除くすべてを彫り出し、表面には漆を塗って仕上げる。両耳中央に小孔があり、紐を通すようにする。面部は朱漆を塗り、眉を墨彩とし、白眼は漆箔とする。丁寧な仕上げをみせており、正統的な面打師によってつくられたと考えられる。眉を寄せ、大きな口を一文字に閉じ、両眼を見開いた魁偉な容貌を破綻なく造形化している。顔の皺などの彫出に定型的なところがみられる。
 立鉾鹿島神社では、神輿渡御の際にこの面を使用するといい、「古事記」での猿田彦の先導者としての性格を踏襲したものであろう。
面内側刻銘により、享保7年(1722)に内藤政栄により奉納されたことがわかる。中神谷出羽神社の猿田彦面も内藤政栄の奉納で、作者は出目洞水満矩といわれており、この面も同人の作と思われる。
指定区分
市指定
種別
有形文化財(工芸品)
住所
いわき市平中神谷字立鉾
施設名
立鉾鹿島神社
指定年月日
平成18年4月28日

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