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えんつうじしょうろうもん

円通寺鐘楼門

鐘の音が聞こえるようにどんな工夫がされているでしょうか?

 赤と白のコントラストが美しい円通寺の鐘楼門。鐘楼門とは、楼門でありながら、2階部分に鐘をつるして鐘楼堂も兼ねた門のこと。江戸時代には多くの寺院の入り口として参拝者を迎えていましたが、現在のいわき市で現存するものは少なくなっています。門自体は小さいものの、堂々としたその姿は立派です。
 その楼門をくぐるときに、実は驚きの仕掛けがあるのです。ここを訪れたら、門の下から鐘の姿が確認できるはず。なんと、鐘の音が外に響き渡るように床が格子状になっているのです。これはすごい。
 なかなか機会はないでしょうが、格子の下に立って浴びるように鐘の音を聞いてみたいものです。

解説

 円通寺鐘楼門は、小規模な三間一戸楼門、入母屋造、茅葺屋根を亜鉛鉄板で覆い、その上に現在は銅板で覆われている。小屋架構は叉首梁、軒先は登り梁が付き、小舞付き軒天井、2階は桁行15尺、梁間12尺の外回りに連子と花頭窓で仕切る。身舎の間として桁行9尺、梁間6尺の4本の柱で小屋根を支える。釣鐘は戦時中供出のためなかったが平成15年に新調している。床に鐘音の通る格子組が付く。高欄付き廻縁は四隅に逆蓮が付き、これを若葉模様の彫刻持ち送り板で出桁を支える。
 楼門でありながら鐘楼堂も兼ね備えた門であり、江戸時代には寺院の入口として一般的建造物であったが、現在のいわきでは少なくなっている。現在銅板葺であるが、創建当初の姿を残しており、江戸時代寺院の一般的な鐘楼門を考慮する上で、重要な基本資料である。
指定区分
市指定
種別
有形文化財(建造物)
住所
いわき市遠野町上遠野根小屋
施設名
円通寺

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