きゅうかわぐちけじゅうたく
旧川口家住宅
土間に大きな樽があります。これで何を製造していたのでしょうか?
この家は江戸期頃から続く醤油製造業家の本家で、明治4年(1871)に作られ、改修されながら、醤油製造との兼業農家の住宅として大切に使われてきました。
土間の天井には立派な梁があり、そこから奥へと続く間取りは、江戸時代末期から続く形式を採用しています。使い込まれた家には味わい深い美しさがありますが、この家にも124年の美しさが刻まれています。当時の人々の暮らしを知る貴重な住宅です。
土間の天井には立派な梁があり、そこから奥へと続く間取りは、江戸時代末期から続く形式を採用しています。使い込まれた家には味わい深い美しさがありますが、この家にも124年の美しさが刻まれています。当時の人々の暮らしを知る貴重な住宅です。
解説
この住宅は、もとは内郷御厩町上宿地内にあって、江戸期頃から代々醤油製造を生業としていた若松家の本家と伝えられる。明治2年(1869)の御厩村の火災で焼失し、明治4年(1871)に街道に面して縦長に再建された。その後、昭和14年頃に建物が約90度反転し、桁行が南面とされ、翌昭和15年頃に川口家の所有となった。平成7年解体に至るまで124年を経過した建物である。
建物は比較的規模が大きく、間取りは土間・勝手・広間・座敷と直屋平入り広間型三間取りの形態で、江戸時代末期の間取りを継承している。土間は間口三間と広く天井はなく、堅固に組まれた梁組が露出し荘重である。広間も間口が三間半と広く、一部に土間がある。なお、土間と広間で三間半の連続した間口を持つのは、大勢の出入りを考慮した間取りと考えられる。奥座敷には、付書院をもつ床の間と押入れがあり、面皮付長押を釘隠化粧金具でとめて風格を感じさせる。妻側と上がり縁は戸袋で隔たれている。
昭和14年の改修はあるものの主体部の変更は少なく、創建時の骨格部材が数多く残された明治時代初期の兼業農家として、当時の生活様式を知る上で貴重な建造物である。
建物は比較的規模が大きく、間取りは土間・勝手・広間・座敷と直屋平入り広間型三間取りの形態で、江戸時代末期の間取りを継承している。土間は間口三間と広く天井はなく、堅固に組まれた梁組が露出し荘重である。広間も間口が三間半と広く、一部に土間がある。なお、土間と広間で三間半の連続した間口を持つのは、大勢の出入りを考慮した間取りと考えられる。奥座敷には、付書院をもつ床の間と押入れがあり、面皮付長押を釘隠化粧金具でとめて風格を感じさせる。妻側と上がり縁は戸袋で隔たれている。
昭和14年の改修はあるものの主体部の変更は少なく、創建時の骨格部材が数多く残された明治時代初期の兼業農家として、当時の生活様式を知る上で貴重な建造物である。
- 指定区分
- 市指定
- 種別
- 有形文化財(建造物)
- 住所
- いわき市鹿島町下矢田散野14-16
- 施設名
- いわき市暮らしの伝承郷
- 指定年月日
- 平成7年4月28日