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きゅうたかぎけじゅうたく

旧高木家住宅

大黒柱に何が差し込まれているのでしょうか?

 2つの柱を繋ぎ合わせる仕口のほぞ(突起)に書かれた文言から、この建物は嘉永3年(1850)に建てられたことがわかっています。
 建物は、軒先に入り口を設ける平入りの形式をとり、立派な梁が目をひきます。屋根を支える大黒柱には、尺5寸(約45センチ)という太い鴨居が差し込まれています。これは木造建物の強度を上げる工夫と考えられます。
 街道沿いになる北側部分には人目を意識した装飾も施されていて、この家に暮らした人たちの心のうちが反映されているのかもしれません。

解説

 この住宅は、もとは常磐藤原町田場坂地内にあって、柱仕口ほぞの墨書銘から、嘉永3年(1850)に建てられたことがわかる。
 高木家は、湯本から上遠野への街道筋に面した往時の田場坂宿に酒造を営んでいた本家の奈良屋から分家したことが伝えられ、醤油屋を営み、初代高木久米八の名から「かねきゅう」と屋号をつけた。
 敷地は街道に面する側が狭く南北に長い形態で、東側に醤油製造時代の作業小屋、東南側に土蔵、西南側隅に馬小屋と物置小屋を配し、母屋南側には従業員用と伝えられる下屋が接続していた。
 建物は直屋平入りの形態で、地覆土台が外回りを囲み、上框は2尺5寸と高く、梁組は比較的大きく大黒柱に尺五寸成の差鴨居を組むなど、全体的に高さと部材の太さが目立つ。また、北側が街道に面するため妻側の化粧軒や縋破風が巧みに作られている。東側欄間部分は吹き抜けとなり、吹放縁の様相が窺えるが雨戸が建て込まれている。
 間仕切建具等は、生活の変化に伴い改造が著しいが、内法長押に大釘(釘隠化粧金具兼用)が付き古様が見える。また、面皮長押が座敷に使われ造作により座敷廻りを軽やかにしている。
指定区分
市指定
種別
有形文化財(建造物)
住所
いわき市鹿島町下矢田散野14-16
施設名
いわき市暮らしの伝承郷
指定年月日
平成9年5月13日

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